PSV/Code:Realize 〜創世の姫君〜 感想

発売日:2014年11月27日
価格:通常版5,800円(税抜),限定版7,800円(税抜),DL版5,048円(税抜)
ジャンル:女性向け恋愛AVG

19世紀ロンドンって浪漫がありますね。ガス灯、馬車と自動車の入り混じり、産業革命に植民地、切り裂きジャックにシャーロック・ホームズ。華やかな時代の最先端であり裏ではシワ寄せと貧しさで汚れた世界。この数十年後に世界大戦が勃発するんだから歴史の動きは実に興味深いです。
19世紀ロンドンの中でもシャーロック・ホームズはただのミステリー小説に留まらず、当時のロンドンの街並みの情景描写が素晴らしく、読者を見事にあの時代のあの街並みに誘うタイムマシンな小説なんです。ええそうです、シャーロキアンほどではありませんがファンですホームズ大好きです。犬ってる方も自分は好きです。空からこぼれたSTORY、名曲です。

ルパンが世の中に初めて名を轟かせた1905年発刊「アルセーヌ・ルパンの逮捕」に対し、ホームズの初登場「緋色の研究」刊行は1887年、計算するとホームズの方が18歳も年上。年下のルパンの「Arsene Lupin contre Herlock Sholmes」の刊行は、ルパンこそがホームズを意識している証拠であります。つまり、ホームズを語る上ではルパンは外せるけれど、ルパンを語る上でホームズは外せない存在ではないかと。まぁ、ホームズはミステリー小説。ルパンは冒険小説なので畑違いではありますが。ホームズ寄りの書き方になってますが、自分はホームズのストイックさの方が好みだけどルパンの愛に生きる俺様気質も嫌いじゃないですよ。

前書きが長くなりましたが、お察しの通り原作狂信者の自分、コドリアの怪盗や探偵が題材と別物すぎて発狂SANチェックもの。
これルパンじゃなくて
怪盗KIDなパズーだよ!

ジブリのような冒険譚として見たら良作だけど、題材である原作からの設定がほとんど引き継がれていないので固有名詞は売名行為だったんじゃないか疑惑。多分ライターさんは原作未読なんじゃないかこれ。正直原作のイメージがゲームの作風の邪魔をしているから完全オリジナルファンタジーで作れば良かったのにと思いました。あと無駄に用語が多く、登場する固有名詞から色々先が読めてしまう残念度。それからメインヒーローには攻略制限がかかっているのでメインだけ攻略したい乙女はきっと涙目。メイン攻略ルートと真相ルートは分けて用意したら良かったのに。そもそも、なんで舞台をおフランスにしなかったんでしょうねぇ。

作品の雰囲気は「猛獣使いと王子様」に似ていて、個別ルートから独立した話が展開しているので猛獣より更に楽しめる仕様。原作雰囲気を期待した自分には期待外れだったけど、乙ゲとしての出来は良いと思うので原作狂信者ではない乙女にはお薦め。
ブランド:オトメイト
[2014.12.06]
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