それは、このゲーム発売から7ヶ月前の出来事。
いつものように本屋で漫画新刊棚をチェックした時、 なかよしコミックス「ミスプリ！」１巻に偶然出会ったわけでございます。 『なかよし』と言えば自分は真っ先に「セーラームーン」を思い出します。 他にも「CCさくら」やコゲどんぼにPEACH-PITの連載など 何気にオタク寄りな小中学生向け少女漫画。 しかし所詮は子供向け。あまり期待せず１巻を購入。 ところがどっこい、 期待を裏切り良作品。 登場するメインのイケメン執事４人よりも男前で、 頑張り屋さんで、ボーイッシュだけど女の子らしい愛らしさ、 自分好みのヒロインにずば抜けた好感を抱きます。 その他にも作者が回を重ねるごとにどんどん成長していく部分も見所。 昨今の少女漫画にありがちな少コミ的なちょっと大人な要素もなく、 健全で微笑ましい男女のやり取りも可愛らしくて 自分のツボを的確に捉えております。 久々にドストライクの漫画の帯には乙女ゲ界の老舗ブランド・ ルビーパーティーによるゲーム化の文字が。 それはそれは大きく激しく期待しました。 漫画では出来ないこと、 おそらく漫画では結ばれないであろう執事とのハッピーエンドや 漫画を一層掘り下げたシナリオ、キャラ同士の絡み、 もっとミスプリの世界を見てみたい… それらを一心に願い、期待したわけでございます。 ところがどっこい、 期待を裏切り普通作品。 あー…、何ていいますか。 純粋なAVGかと思っていたんで、箱を開けてみたら ミニゲームを駆使してミスプリを目指すミニゲームメインAVGだったんで 期待していた部分が23％くらいしか叶ってなかったもんだから 自分勝手にガッカリしただけなんですけど。(^_^;) あくまで自分が期待したことが叶っていなかっただけで ゲームとしてはすっきりキレイにまとまって良い作品です。 「あぁ、『遙時』の合間に作ったんだなー」と、 ぼんやり透けて見えるボリューム感ではございますが、 あくまでこのゲームのメイン対象者は小中学生少女。 “ゲームは１日１時間法”に法り、ちまちま進めることでしょうし、 ミニゲームを極める作業、容易には集まらない称号回収、 3択中に好感度が上がる選択肢が3分の2だったり、 お子様向けとしての仕様を考えるととてもバランスが取れた乙女ゲです。 このゲームが発売されたのが11月末、年末商法もバッチリ。 さすが老舗乙女ゲメーカー、萌えというより感服いたしました。 漫画でのお気に入り場面があっさり片付けられていたり ヒロインの音声が微妙でOFFにしきれなかったり、 日頃乙女ゲに慣れた人や漫画を先に読んだ人には物足りないと思います。 特に自分は漫画から入った＋違う形を期待していたため 期待した方向と違って微妙な心境ですが 可愛い女の子３名も仲良くなれるシステムが導入されているし、 しかも女の子エンドまで用意されていて、 それだけでお釣りが来るくらい満たされました。 決してゲーム自体の完成度は低くないし、 まずは漫画を読んでみてから購入を決められる事をお薦めいたします。 書籍￥440、ゲーム￥5,040、10倍以上価格に差があるんだし ￥440でお試し出来るのは財布に優しい設計。 ■キャラ考察■ 【九龍院 要】 オレ様執事。 自分はMかSかで問われたら、「どちらかと言えばM」なんだけど どうしてかSキャラには反発した選択肢を選びたくなります。 そんなわけで、オレ様執事がツンデレしながら「手を貸そうか？」と 聞いてきたので「おぬしの手は要らぬ！」と答えて 恋愛フラグをバッキバキにへし折っておきました。ふぅ〜(´ω｀) そんなやりとりとセーブとロードも混じりつつ、 ようやくたどり着いた終盤のデレっぷりは可愛いです。 大学生(19)が中学生(15)にデレデレ、いやぁ征服欲も満たされます。 もし、こころに振られたら数年は引き摺りそうな要さん可愛いよ(;´Д｀) 【鷹司 カオル】 無関心執事。 要さんとは逆に、こころと接した事で新しい世界の扉が開けたため もし破局した時はあっさりしていそうでハラハラします。 何か、育てた小鳥が巣立っていくようでさ…。 第一印象からガラッと変わって萌えさせてくれます。 無表情の子が主人公の影響で笑顔を見せるようになるとか 王道だけど序盤で冷たくされたぶん心が暖まります。 11月に見られるイベントは最高潮。クーデレのデレ･ターンﾊｧﾊｧ。 【秋月 淳平】 フェロモン執事。 要さんを上回り、破局間際にはヤンデレ化しそうな淳平さんですよ。 相手に理解を示しているように見えて一番独占欲が強そうな淳平さん。 ヤンデレ化、大いに歓迎です。 淳平さんルートには咬ませ犬が登場しますが 咬ませ犬と一緒に登場するお嬢さんがさり気に可愛らしく、 次回作がございましたら是非とももっと出番を増やして欲しい所。 執事ブームの次はメイドブームですぜ旦那。 【樹 桃太】 童顔天然執事。 最年長だけあって主人公との年齢は7歳差。 しかし言動が子どもっぽいので 淳平さんの方がガチでロリコンに見える気の毒さ。 フェロモン執事だもんな…、 傍から見たら青少年保護育成条例に引っかかってそうだもんなぁ。 ロリコンネタはさて置き、まさかの12使徒。 そんな個別ルートが待っているとは予想だにしませんでした。 咲かない花の育て方を聞いたら「原因は精神面」とか 全く理に適ってない答えを貰ったり、 いかにも少女漫画らしい強引な設定にまみれたりなシナリオでした。 萌え所は、どこだろう。個人的にあまり好きじゃないルートだったなぁ。 それに自分は桃よりも響さんを激しく攻略したい。 桃はサブキャラとしてフォローに徹している方が好きです。 【水上 朔夜】 バイトのお兄さん。 他の攻略対象はエンディングが２種類あるのに朔夜さんは１種類だけ。 ステータス上げは活躍しないし、まるで隠しキャラのようなポジション。 しかし捨てられたワンコの目を発動したり、ポエマーで下僕属性。 心の底からオイシイお兄さんでした。ご馳走様です。
ブランド：コーエーテクモゲームス
開発：ルビー・パーティー [2012.01.23] |