PSV/POSSESSION MAGENTA 感想

発売日:2015年5月28日
価格:通常版6,800円(税抜),初回限定版8,800円(税抜),DL版6,300円(税抜)
ジャンル:愛と狂気のミステリー恋愛AVG

「アルカナ・ファミリア」を制作したメーカーと絵師さんによる新作、しかも自分が好きなミステリーがジャンルと聞き、それはそれは発売前から楽しみにしておりました。「アルカナ・ファミリア」をプレイした時、確かにイラストの使い回しは多かったけれど通常パートでもイラストがたくさん登場していて「白詰草話」をプレイした時の感動を思い出したもんです。

だからこそ、楽しみにしていた。期待していた。
イラストは確かに良かった。(笑)になっていた才色兼備設定の主人公も絵単独で見たら購買意欲の湧く可愛らしさで、攻略対象である男子たちも戦隊ヒーローが如くそれぞれマイカラーを自己主張していて見分けやすく、モブとの顔面格差を見せつけるイケメン顔を発揮してます。そう、絵だけだったら自分は文句の付け所がなかったんだ…。


プラチナトロフィーも手に入れ、全てを掌握したからこそ言わせてもらう。

ミステリーを自称するとかおこがましいとは思わんかね。

確かに『ミステリー』の意味は『神秘、不思議、怪奇』と、幅広く当て嵌めることの出来るジャンルではありますが、先が簡単に読める展開、あからさま過ぎるミスリード、テンプレ化するラスボス、ファンタジーが際立って推理が論理的と言い難い等々、1周目こそ楽しめたけど2周目から周回プレイが苦痛になったわ!
恋愛ゲとしても、初っ端から男女問わず万人に愛される主人公が取捨選択の特権を振りかざし恋心を自覚する場面が定位置なので恋愛物語としてもイマイチ。1周当たり約90%が共通ルートで個別ルートは金太郎飴、個別の恋愛イベントも他キャラ狙い遊んでいる時も発生するせいで一途プレイを楽しむことが出来ず、終始ハーレム感が付き纏う仕様。

物語自体は破綻しているわけではないためファンタジーと名乗っていればここまで酷評しませんでしたが、AVGとしての最大の特徴である分岐した展開がほとんどなくて正直小説でも事足りる内容に感じたため、もうちょい何とか出来ただろ感が否めない作品。ミステリーが成り立っていないならばせめて恋愛部分をしっかり描くとかしていたらここまでクソゲ感はなかったのに。

このメーカーの次回作は買い控え決定です。とりあえず制作スタッフは『緋色の研究』と『恐怖の谷』を読んでから出直して来い。
ブランド:COMFORT
[2015.06.05]