PS2/令嬢探偵〜オフィスラブ事件慕〜 感想

発売日:2007年2月22日
価格:4,800円(税抜)
ジャンル:恋愛推理AVG

憧れのお姉様の自殺を追求すると意気込み入社した官房長官の娘な秘書課配属のヒロインが開始2日目でお姉様の真相とは別の追求を始めるという、『お姉様のことどうした!?』とプレイヤーがツッコまずにいられないルートが開始4枠で用意された恋愛推理AVG。
攻略対象は計7名。内1名は攻略制限付き。4.5名はお姉様とは無関係の事件を追いかけ、そして事件解決ハッピーエンド。その事件の調査は給湯室での噂の聞き込みや守衛室での記録調査などOLの仕事片手間で可能な内容で、民事ならともかく刑事事件だと警察の無能を疑いたくなりますが、どの事件も徐々に真実が開示されていって真相に近づきつつ恋愛対象ともいい感じになるので恋もミステリーも楽しめます。
恋愛とミステリー以外に、毎度開始場面で死ぬ前のお姉様との会話から始まるのに祟るどころかヒロインの守護天使と化したお姉様マジ天使なのも美点。あとこの会社の関係者死にすぎ。他の乙女ゲーだったらギリギリ助かりそうな人もあっさり死んでビックリした。このビルの所在地は米花町ではなかろうか。

序盤はランダムで発生するイベントの回収で好感度を集めて攻略対象のルートの固定、固定後は仲を深めつつ事件解決に勤しむ推理パート。キャラによってはBADエンドにもスチルが用意されているので周回プレイをする楽しみがあります。スチルもキャラデザ担当者が場数を踏んだ絵師さんなので安定した出来栄え。

攻略対象もツンデレ、ヤンデレ、俺様、赤ちゃんプレイなど定番からマニアックとなかなか多彩。キャストもベテランな方々なので一層キャラ魅力を引き立てていらっしゃる。個人的にはツンデレ四季さんの牛丼屋イベントは一番胸キュンした。他キャラも靴とかサラッと学べるビジネスマナーとかシナリオは良い仕事しています。



シナリオ・スチル・キャストと満足度に対してかなり高得点のこのゲーム。しかし残念なことに一つだけ欠点が。
システム面がゴミすぎて
全てを台無しにしている。

なんとオプション機能で用意されているのはBGM・SE・ボイスの音量設定のみ。クイックセーブ・ロード機能は当然なし、指定場所でしかセーブ・ロードが出来ない+読み込みが遅い、セーブ機能の不親切さでランダムイベント回収が一気に面倒なものへ変化。既読機能は遅いだけでなく、一度クリアしたルートでなければ既読扱いにならないプレイヤーの既読ではなくセーブスロットの既読という認識、クリア後もきちんとセーブしなければスチル登録がなかったことにされるトラップ。

せっかく良いシナリオしているのにシステムのせいで周回プレイが苦痛で何度か心折れました。これシステム面が改善されるなら良ゲーに部類されるのに惜しい。真に惜しいわぁ。
開発:(株)トムキャットシステム
ブランド:D3 PUBLISHER
[2019.06.07]