PS2/Scared Rider Xechs -スカーレッドライダーゼクス- 感想

発売日:2010年7月1日
価格:通常版6,800円(税抜),限定版8,800円(税抜)
ジャンル:恋愛AVG

「サクラ大戦」ぽい本格鬱ゲー。
製作会社のREDと言えば最も有名な作品が「サクラ大戦」。
『変身して戦う・バンド・主人公がリーダー』と
設定が「サクラ大戦」と似通った部分も多く、
セガサターンで『勝利のポーズ、決めっ!』に燃えていた
あの頃の熱意を思い出しました。
『うおぉー!サクラ大戦風味面白えー!』と
そんな感じでハイテンションにプレイしていたものの、全13話。
すべてが終わってエンディングに辿りついた先、
失った物があまりに多すぎて鬱ゲーであったことに気づく。
くそぅ、何たる刺客。こんなオチが待っているなんて
誰が予想できるか○| ̄|_



RED初の乙女ゲではございますが
製作陣は他作品で経験のある方なので
乙女ゲに必要な要素はよく存じておりました。
選択肢も好感度のためだけでなく、
エンディング分岐用の選択肢があって
従来のAVGにもう一つ要素が加わってとても楽しめました。

途中まで正義のヒーロー集団にわいわいした盛り上がり。
ゼクス連中のちょっとオバカで何とも可愛いことか。
だがしかし、終盤に真相が判明するも、
どうして主人公だったのか、何故教官という立場固定なのか、
ゲーム条件が対等じゃなくて成立してなくない?とか、
あらゆる矛盾点が気になり、気持ちがもにょるちょっと残念なシナリオ。
何よりサブスタンスメンバーの扱いが酷くて泣ける。
自分の最萌え・リッケンのエンディングがないのはどういうことですか。
エピフォンはほんのりあるのに。
謝れ!
リッケンの可愛らしさに謝れー!!


あと終始悪役だった上の人間に天罰が下らないのも鬱ゲーたる要因。
長官なんて教官以上にお飾りだったぞ?
ほんと、……ねばよかったのに。


シナリオに思うところはあるものの、
音楽・ムービーの完成度や兵器の名称とか
格好良くて細かい配慮は満点を差し上げたく。
ライダー連中の楽器を模した武器デザインはダサいけど。
サントラ出てるみたいなので購入を本気で検討してる。
限定版の特典・小冊子もゼクス連中がわいわいした様子が伝わってきます。
乙女ゲに珍しく鬱度がそこそこ高く、鬱ゲ好きには結構オススメ。
人生の3割を鬱で構成している自分にはお気に入りの一本です。
今度出す時はサブスタンス達にもっと光が当たってるといいなぁ。





 ■キャラ考察■

【駒江・クリストフ・ヨウスケ】

ちょこっと外人設定は活かされないままのヨウスケくん。
赤い人だから戦隊で言うリーダーのポジション。
リーダーでもなかったし。
なので熱血漢溢れる人物かと思いきや結構冷静なお人でした。
サブスタンスが代わりに熱意溢れるからバランス良く。
料理の出来る男はそれだけど30点上げます。



【霧澤・タクト】

一番災難に見舞われる人。
とんだ奇跡の復活でそれまでのキャラ作りが
ぺーんと放り捨てられたのが一番酷い扱いだと思う。
あの変貌にそれまでそんな兆候はあったのか、イマイチ心当たりもなく。
メインルートですら変貌した理由が把握できず、
終盤でただ病んだ人という印象でございます。
序盤では他のライダーたちに弄ばれ、
本質ではスタッフに弄ばれたタクトくん。
教官といいことがあるように祈らずにいられません。
せめて夏コミの次のドラマCDでは出られるとイイネ!>タクト。



【津賀・ユゥジ】

『温かい家族』キーワードはきっと乙女の支持率は高いと思うんだ。
21歳らしいけど、もっと老けて見えるのは
周りが17・8歳なのにお子ちゃまなせいもあると思います。
五稜郭は別次元の萌え方をした人もきっと多いはず。
まさか副長の思い出の地があんなことになるなんて……。



【鞍馬・ヒロ】

内気でブラック、けどダメダメな可愛い16歳。
他のライダーたちはサブスタンスとの絡みも多いけど
ヒロとデュセンの関係はドライでした。
立ち位置は保護者と子どもだけど
それ以前にデュセンへの絡み方が予想できない(^_^;)



【錫木・カズキ】

公式ですら人外呼ばわりされてますが
一番周りを見ていた大人な人物。
大人というよりそれこそ人を超越してそうだったけど。
リッケンに苗字ネタできゃっきゃしていた場面が大変可愛く。
リッケン可愛いよリッケン…(;´Д`)ハァハァ



【無月・ヒジリ】

4年前、13歳ヒジリが全力で気になります。
今でこそ軽薄に見えるだろうが13歳のヒジリがどんなだったか
ラノベでもドラマCDでもいいから切実に見たい自分です。

中盤からの登場で、それまでのプレイ状況によっては
そこから好感度上げるにも他の攻略対象に上げてきた数値が邪魔して
セーブデータの使い回しだとルートに入るのは些か面倒なものですが
上がる時の勢いが大きくてその数値にびっくり。
途中参戦キャラによくあることだけど、
目の当たりにするとやっぱり驚くな…。

真相に近いところにいるからメインルートもすごいかと思いきや
そこまでは優遇されていなかったのはちと残念。
まぁヒジリには教官との思い出が特別にあるだけ我慢しろってことですね。
ブランド:レッド・エンタテインメント
[2010.07.28]