プロレスシーンのために見に行った。
原作である絵本2冊から誕生した邦画。 絵本の内容は父親の職業が悪役レスラーであることを知った多感な小学生と、息子に愛情と仕事に信念を持つ父親の親子の愛情を描いた分かりやすく温かい話。主役の悪役レスラーなパパ役に本物のレスラーが起用されていたので、原作絵本が好きなのもあったが主に試合シーン見たさに映画館へ行ってきた。 一冊当たり32ページ程度しかないものを約2時間の映画にしているので当然映画オリジナル設定が生えまくり。生えること自体は想定内なので問題ないが、問題は生えた設定の内容。 報連相を怠りまくる登場人物たちに、虐めの痕跡が分かりやすい場所に長期放置されているのに全く改善されない小学校担任教師の管理能力、息子が嘘を付いているのに叱る描写が御座なりな母親の演出、雑誌記事に不採用を言い渡した編集長に暴力行為の社員、ありがとう・ごめんなさいのセリフがほぼ言われないなど。 総じて言うなら 人間として屑行動 ばかりじゃないか、それ。 子どもが読んでも安心な絵本が原材料だったのに生やした内容に不純物混じりすぎじゃないか?あと序盤でゴキブリマスクに敵意ある顔していたのに終盤で真逆のこと言ってきた女の子に軽く戦慄した。小学生なのに男手の平で転がしてるようにしか見えぬ。怖い。 原作に描写されなかった母親も見せ場らしい見せ場がなく印象に残らない。けどエンディングのスタッフロールでキャスト紹介は息子より上。言動だけ見たら父子家庭で母代わりにお祖母ちゃん登場でもいいポジションだったし、プロレス好きな雑誌記者も言動が熱狂的ファンの面が突出しすぎて終盤で記者が書いた記事もファンレター程度にしか見えなかった。 原作でもサブキャラは結構勝手気ままだったし別に原作マンセーなわけじゃないけれど、焼き増しするにも人間的魅力の中の控えめとか謙虚な心とかが足りなくて、絵本だけで満足しておけば良かったなーと思った。 そんな感じで自分の期待には外れているんですが、 悪役レスラーである主人公がまだ覆面レスラーではなかった過去のこと、己の職業が原因で息子から嫌われたこと、身体的都合、そして悪役レスラーとしての現在、様々なことを踏まえてラストシーンで答えが出されていてとても丁寧に描かれていた。上記の私的不満点もこの主人公を輝かせるためのスパイスになっているので映画の総合点では欠点ではないし。映画のキャッチフレーズである『大事なのは勝つことじゃない』に納得のいく展開ではあったと思う。棚橋選手はすごくいい仕事していたのでそこは自信を持ってお勧め。 最後に2席隣に座っていたカップルの彼女の方がすごく良かった!と言ってたが、同じ会場で同じ物を見てこうも温度差が生まれるのは人間て面白いと思ったり。ところで小学生がプロレス観戦に行っている場面があったけれど、プロレスのチケットってそんな簡単に取れて安いのかな。
[2018.10.17]
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